2017-01-01から1年間の記事一覧

こけこっこー

2017年も残すところ一日とあとわずか。今年一年みなさんはどのようにお過ごしになったでしょうか。 不肖店主個人といたしましては、生涯忘れられないであろう、それはそれは素晴らしい年でございました。 あんなことや、こんなこと。いま思い出しても胸が高…

年末年始の営業について

2017年もFabulousをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。年末は30日(土)まで営業いたします。年始は5日(金)より営業いたします。2018年も引き続きよろしくお願いいたします。

安らかに眠りたまえ

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月24日はこちらです。 『殺意』ビル・プロンジーニ著 高見浩訳 新潮文庫刊 おびただしい量の血だった − ペイジの体に、その下の床に。そして、部屋を半ば横断するように、血の跡がのたくり、光っていた。彼は片手を戸口…

店休日のお知らせ

誠に勝手ながら17日(日)、18日(月)は、店休日とさせていただきます。ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。21日(木)は営業いたします。何卒よろしくお願いいたします。

ちょっと面白い話

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月16日はこちらです。 『バーレスク風自叙伝』マーク・トウェイン著 大久保博編訳 旺文社文庫刊 しばらくして、スレイドの精力的な管理のお蔭で、街道の中でも最も悪いディヴィジョンの一つに平和と秩序に再び訪れるよ…

黒の事件簿

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月15日はこちらです。 『サラリーマン悪徳セミナー』森村誠一著 角川文庫刊 人間の最大多数の幸福のために、我々は法律というものを作り出し、それをもって、社会の秩序を保つようになった。だが、人間とはわがまま勝手…

優しい関係

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月12日はこちらです。 『心の青あざ』サガン著 朝吹登水子訳 新潮文庫刊 「もう一度そのレコードをかけてよ、ね?」とエレオノールが頼んだ。 セバスチャンは腕をのばし、足もとのレコード・プレーヤーのピック・アップ…

パプリカ

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月11日はこちらです。 『いかにして眠るか』筒井康隆編 光文社文庫刊 睡眠は夜のように二つの薄明に先だたれ従われる。一つはわれわれを絶対の無生気に導き、もう一つはわれわれを活発な生命へもどらせる。(中略) 睡…

アメリカを葬った男

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月10日はこちらです。 『フェイク マフィアをはめた男』ジョセフ・ピストーネ著 落合信彦訳 自分の位置を確立するというのは微妙な仕事である。ささやかな印象の積み重ね、ちょっとしたテストの繰り返し、暗黙の承認の…

推理小説作法

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月9日はこちらです。 『ミステリイ・カクテル』渡辺剣次著 講談社文庫刊 実際、江戸川乱歩ほど「一人二役」の魅力にとりつかれ、これを執拗にくり返しくり返し、その作品にとりあげて物語る作家はいないであろう。 乱歩…

スキャナーに生きがいはない

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月7日はこちらです。 『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス著 浅倉久志訳 ハヤカワ文庫刊 空が口笛を鳴らし、風が波を打ちすえ、黒いものが弾丸のようなスピードでそばをかすめていった。地上すれすれに飛び去っ…

暗くて静かでロックな娘

復活!!!今日のおすすめ本。2017年12月6日はこちらです。 『ミサイルマン』平山夢明著 光文社文庫刊 痛みは感じなかった。それよりも俺は血を吸われている間、得も言われぬ快感に細胞のひとつひとつを洗われていた。それは初め何の前触れもなく突然にやっ…

『DONUT FREE VOL.10』配布しております

すっかり遅くなってしまい申し訳ありません。『DONUT FREE VOL.10』の配布を開始いたしました! チバユウスケフジイケンジ大森南朋オカモトコウキ甲本ヒロト佐々木亮介仲井戸麗市真島昌利YONCERei 以上10人のミュージシャンがそれぞれの“ON AIR”リストを紹介…

ある女の告白

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月26日はこちらです。 『女の一生』モーパッサン著 杉捷夫訳 岩波文庫刊 青年はいかにも美男らしい気取った顔つきを崩さずにいたが、少女は、とつぜんの感動に息がつまり気が遠くなりそうで、歯が音を立てて鳴るほどわ…

開かせていただき光栄です

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月24日はこちらです。 『アルモニカ・ディアボリカ』皆川博子著 ハヤカワ文庫刊 そうして、わたしは、いつのまにか、監獄の独房にいた。 幼いときの記憶が、いつから始まったと明確に区切りがつかないように、いつどの…

ホット・ロック

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月23日はこちらです。 『悪党パーカー ターゲット』リチャード・スターク著 小鷹信光訳 「カジノ船か?」(中略)「すべて現金か」パーカーが言った。 キャスマンはうなずいた。「現金の海で泳いでいる船ですよ」彼は言…

アムステルダムの犬

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月21日はこちらです。 『プラネタリウムのふたご』いしいしんじ著 講談社文庫刊 星月夜。 八月の新月の夜、天頂にはベガ、デネブ、アルタイルの大三角。東にはペガスス座。西の空にはうしかい座。正面にはおなじみのポ…

モンキー・パズル

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月20日はこちらです。 『逃げるアヒル』ポーラ・ゴズリング著 山本俊子訳 ハヤカワ文庫刊 マルチェックが警官になるまでにはさまざまな経緯があった。才能というものはまま気まぐれなものであるが、マルチェックの場合…

作者不詳

復活!!!今日のおすすめ本。 2017年11月19日はこちらです。 『スラッシャー 廃園の殺人』三津田信三著 講談社文庫刊「で、結局のところ一体、帖さんは何が言いたいわけ?」「彼女が似てるってことだよ」「誰に?」「アルジェントの監督作品『フェノミナ』…

引き潮

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月18日はこちらです。 『ジーキル博士とハイド氏』スティーブンソン著 田中西二郎訳 新潮文庫刊 時刻は、かれこれ朝の九時ごろであったが、この季節に入っての最初の霧が立ちこめていた。チョコレート色の霧が、まるで…

アメリカの夜

復活からの復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月17日はこちらです。 『ABC戦争』阿部和重著 新潮文庫刊 黒黒とした樹木のシルエットがざわざわという音をさせながらゆったりと横にゆれている森のなかへはいって五百メートルほど坂道をくだってゆくと行き…

ハンニバル・ライジング

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月3日はこちらです。 『レッド・ドラゴン』トマス・ハリス著 小倉多加志訳 ハヤカワ文庫刊 「彼は全部で九人殺したんだっけな?」「わかってるところじゃ九人だ。あとの二人は死ななかったからね」「その二人はどうなっ…

ヤギより上、猿より下

復活!!!今日のおすすめ本。2017年11月1日はこちらです。 『いま、殺りにゆきます』平山夢明著 英知文庫刊 ある日、高橋がバイトから帰ってくると外灯の下に女がいた。「十二月の暮れ近かったですねぇ」 女はぺらぺらの薄手のシャツに裸足だったという。 …

ミノタウロス

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月31日はこちらです。 『大包囲網』スティーブン・クーンツ著 高野裕美子訳 そう、これは狩り、狂暴な狼をつかまえるための狩りなのだ。(中略) もし彼が負け、ハンターが勝ったとしたら − それはそれだけのことだ。生…

ハーレムワールド

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月30日はこちらです。 『トラッシュ』山田詠美著 文春文庫刊 夏は暑かった。そう、夏はいつも暑いそれは大昔から決まっている事実なのだ。けれど、その事実には色々な種類がある。心を灼く恋の前ぶれを確信するようなも…

愛国者のゲーム

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月29日はこちらです。 『大統領 失明す』ウィリアム・サファイア著 徳岡孝夫訳 文春文庫刊 彼は眉をひそめた。護衛ヘリがヘリが、百メートルの距離にまで近づいている。高度差も十メートル余しかない。フライト・プラン…

俗物図鑑

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月28日はこちらです。 『48億の妄想』筒井康隆著 文春文庫刊 「わたしに、どうしろというんだ」外相のその声は、およそ大臣らしくない、哀れっぽくか細いものだった。「道化をやるのだ」と、隅の江がいった。(中略)「…

センス・オブ・ワンダー

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月27日はこちらです。 『沈黙の春』レイチェル・カーソン著 青木簗一訳 新潮文庫刊 静かに水をたたえる池に石を投げこんだときのように輪を描いてひろがっていく毒の波 − 石を投げこんだ者はだれか。死の連鎖をひき起し…

おとなになるってどんなこと?

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月25日はこちらです。 『アムリタ』吉本ばなな著 角川文庫刊 その日も私は泳ぎたいという気持ちを抱えて、居間に座っていた。 再放送のドラマはすでに頭に入っていなかった。ただ水音が、塩素の匂いが、ロッカールーム…

宣戦布告

復活!!!今日のおすすめ本。2017年10月24日はこちらです。 『メキシコ・セット』レン・デイトン著 田中融二訳 光文社文庫刊 まだ猛烈に暑く、じっとりと湿ったシャツが体に貼りついた。それでも、しだいに日が傾いて、埃っぽい道の上に長い影が落ち、酒場…