愛国者のゲーム

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年10月29日はこちらです。


『大統領 失明す』

ウィリアム・サファイア著 徳岡孝夫訳 文春文庫刊


 彼は眉をひそめた。護衛ヘリがヘリが、百メートルの距離にまで近づいている。

高度差も十メートル余しかない。フライト・プランとは違う。なぜ、わが方の

連中が、操縦士に注意しないんだろう。ちゃんと編隊を保たないとだめだ。

 護衛ヘリの胴体のドアが開いた。なんというむちゃなことをするんだ。

これは必ず今日の報告書に記入しておかねば・・・。ドアを開けて空気を

入れたほうが気持ちがいいには違いないが、規則は規則だ。ハリーは、

ペンをとってメモしておこうとした。だが、つぎの瞬間、彼は銃を抜いていた。

 護衛ヘリのドアから、人間が突き落とされるのを見たからだ。

(中略)

 ハリーは、拳銃をベルトに突っ込んだ。エリクソン大統領の両肩をつかんで、

床の上に伏せさせた。ついで操縦席へとんで行って、ドアを開けざま、パイロットの

肩ごしに操縦桿をつかみ、力いっぱい前に押した。そのとき爆発が起こった。

 ヘリは、前のめりに突っ込んだ。ソ連の操縦士がつかみかかってきたのを、

ハリーは拳銃を構えて制圧した。すばやく通信用ヘッドホンを取った瞬間、

冷たい空気が流れ込んできた。操縦席の窓ガラスが割れ、副操縦士のからだが、

半ば空中にとび出した。足もとにスチュワーデスが転がっている。

 操縦桿はぐらぐらだった。ロケット弾は尾部に命中したらしい。さいわい、

狙われた胴体はセーフだ。ハリーが急降下させたので、急所ははずれたらしい。

彼はヘッドホンについたマイクを取り、大声で叫んだ。

「SOS、SOS」

(本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

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