ちょっと面白い話

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年12月16日はこちらです。


バーレスク風自叙伝』

マーク・トウェイン著 大久保博編訳 旺文社文庫


 しばらくして、スレイドの精力的な管理のお蔭で、街道の中でも

最も悪いディヴィジョンの一つに平和と秩序に再び訪れるようになると、

それを見た大陸横断郵便馬車会社は彼をロッキー山脈のロッキー・リッジの

ディヴィジョンへ転勤させ、そこでも同じような奇跡が行えるかどうか

見ようとした。ここは無法者やデスペラードたちにとってまさに

天国のような所だった。法律のホの字もない所だった。暴力が、

オキテだった。力が唯一の公認された権威だった。どんなにありふれた

誤解でも、それを収めるには、その場でリヴォルバーかナイフかが使われた。

殺人は白昼堂々と行なわれた。しかも火花を散らすほど頻繁にだ。

それでいて誰一人その殺人を調査しようと考えるものはいなかった。

皆の考えによれば、殺し合いをする当事者はそれ相当の個人的理由が

あるからなんだ、だから他人がそこに口出しをしようものなら、

それははしたないことと見なされてしまうのだ、ということだった。

(中略)

 スレイドは、こうした馬ドロボーや人殺し連中の真直中でも、

自分の居所を気持ちよく平和に構えていた。そして連中の一人が、

肩を怒らせながら横柄な態度で目の前を通り過ぎようものなら、

直ちにその場で撃ち殺していた!また無法者たちを不意に襲い始めもした。

そして実に短期間のあいだに、郵便馬車用の家畜に対する

彼らの略奪行為を完全に止めてしまい、盗まれた数多くの馬を取り返し、

その地区の最も悪質なデスペラードの何人かを殺し、生き残った者たちの上に

恐るべき支配力を獲得した。そのため、連中は彼を尊敬し、崇拝し、恐れ、

服従するようになったのだ!

(「西部の無法者 ジャック・スレイド」本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

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