センス・オブ・ワンダー

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年10月27日はこちらです。


沈黙の春

レイチェル・カーソン著 青木簗一訳 新潮文庫


 静かに水をたたえる池に石を投げこんだときのように輪を描いて

ひろがっていく毒の波 − 石を投げこんだ者はだれか。死の連鎖を

ひき起した者はだれなのか。天秤の一つの皿には、キクイムシ

くいあらしたことになっている葉をのせ、片一方の皿には色とりどりの

鳥の羽の山のあわれな残骸 − 殺虫剤の毒の一斉射撃に倒れた鳥の

残骸をのせて、ことをきめてしまったのはだれか。空飛ぶ鳥の姿が

消えてしまってもよい、たとえ不毛の世界となっても、虫のいない世界こそ

いちばんいいと、みんなに相談もなく殺虫剤スプレーをきめた者はだれか。

そうきめる権利がだれにあるのか。いま一時的にみんなの権利を

代行している官庁の決定なのだ。何百万、何千万という人が、

何も気づかぬうちに、ことは運ばれてしまった。自然の美しさ、

自然の秩序ある世界 − こうしたものが、まだまだ大勢の人間に深い、

厳然たる意味をもっているにもかかわらず、一にぎりの人間がことを

きめてしまったとは・・・。

(「そして、鳥は鳴かず」本文より)


こちらは新装版となっております。

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日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。