ハンニバル・ライジング

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年11月3日はこちらです。


レッド・ドラゴン

トマス・ハリス著 小倉多加志訳 ハヤカワ文庫刊


「彼は全部で九人殺したんだっけな?」

「わかってるところじゃ九人だ。あとの二人は死ななかったからね」

「その二人はどうなった?」

「一人はボルティモアの病院で人工呼吸器をつけたままだし、もう一人は

デンヴァーの私立の精神病院に入ってるよ」

「どうして彼はそんなことをしたんだ?・・・どのていど頭がおかしいんだ?」

 グレアムは車の窓から歩道を行く人々をのぞいた。彼の声は手紙の文面を

口述しているようによそよそしく聞こえた。

「好きだからしたのさ。今だって好きだ。レクター博士はわれわれが

頭がおかしいと普通考えてる意味じゃおかしきうなんかない。何軒かの

ひどいことをしたけど、それが楽しいからなんでね。彼だってその気になれば

立派にやれるんだよ」

「心理学者に言わせるとどういう病名なんだろう?・・・どこがわるいのかなあ?」

「ほかに病名のつけようがないから反社会的精神病質者と言ってる。

彼にはそのいわゆる反社会的精神病質者の特徴がいくつか見られるんだ。

反省心とか罪悪感ってものがまるっきりない。しかも第一の、そして最悪の兆候が

見られる・・・子供と同様な、動物に対するサディズムだ」

(中略)

「あんたなら彼をどう呼ぶ?」とスプリングフィールドが訊く。

 グレアムは躊躇した。

「自分の心の中だけだったらどう呼ぶかね?」とスプリングフィールド

「あいつは怪物さ。ときどき病院で生まれるあの憐れむべき、人間とも言えない

ものの一人だよ。病院じゃそれrに食べものを与え、暖かくしてやるが、

機械にかけてやらないから死んじまう。レクターは頭の中はそういうやつと

同じなんだが、外見は普通だから誰にもわからないんだ」

(本文より)


こちらは旧訳版で現在絶版となっております。

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