ある流刑地の話

今日のおすすめ本。

2016年2月28日はこちらです。


『夢・アフォリズム・詩』

フランツ・カフカ著 吉田仙太郎編訳 平凡社


 彼は自由にして安全を保障された地上の市民である。というのは彼は

一本の鎖につながれていて、この鎖は地上のあらゆる空間を彼の自由に委ねるに

十分な長さがあるからであり。しかも地上の境界を越えて彼をひっさらうことが

できるほどの長さはないからである。しかし同時に彼は、自由にして安全を

保障された天国の市民でもある。というのは彼はまた、同工異曲の天国の鎖に

つながれているからである。さて彼が地上をめざすと天国の首鎖が、

天国をめざすと地上のそれが彼の首を絞める。しかもそればかりか彼は、

一切を最初の捕縛の際のひとつの過ちに帰することさえ拒んでいる。

(「アフォリズム 自撰アフォリズム」本文より)


 彼には二人の敵がいる。第一の敵は彼を後ろから、根源から圧迫する。

第二の敵は彼の前に進む道を妨げる。彼は両方と戦う。そもそも第一の敵は、

第二の敵との戦いにおいて彼を支援する。というのはこの第一は彼を前へと

圧迫しようとするからだ。同様に第二は、第一との戦いにおいて彼を支援する。

というのは、この第二はどうしても彼を後ろへ押し戻そうとするからだ。

ただしこれは、理論的にはというだけのことである。というのは、

そこにいるのは二人の敵だけではなくて、彼自身もいるからであり、

そもそも彼の意図が誰にわかるというのか?

(「アフォリズム 〈彼〉シリーズ」本文より)


 絶望しないこと。またお前が絶望しないことにも絶望しないこと。

もはや万事休すに見えるときにも、新しい力は押しよせてくる。

これこそお前が生きているということを意味している。

そうした力がやってこなければ、それこそ万事休すということだ、

しかも決定的に。

(「アフォリズム 〈日記〉より」本文より)


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日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。



新保勇樹さん、待望の初写真集発!!



『Tenacity Blues Diary -Fragments of Life with The Birthday-』

新保勇樹著 ワニマガジン社


4630円(税抜)

カバー付き上製本

A4正寸横型

超特厚304ページ

3月14日発売予定


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