パプリカ

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年12月11日はこちらです。


『いかにして眠るか』

筒井康隆編 光文社文庫


 睡眠は夜のように二つの薄明に先だたれ従われる。

一つはわれわれを絶対の無生気に導き、もう一つは

われわれを活発な生命へもどらせる。

(中略)

 睡眠が始まる時、感覚上の諸器官は少しずつ活動を停止する。

味覚が第一に、視覚や嗅覚がその次に。でも聴覚はなお眠らず、

触覚にいたってはいつまでも感じる。まったく、触覚こそ

最後までがんばっていて、痛みによってからだの危険を

われわれに告げるのである。

 眠りは多少とも安樂な感じに先だたれるのが常である。

肉体はすみやかな回復を信じ、喜んで眠りにつく。霊魂も、

その活動手段をそこでよみがえらせてもらえるという

希望のうちに信頼感をもって眠りにはいる。

 実にこういう感じ、こんなにも確実な感じを十分に

認めなかったために、第一流の学者までが眠りを死に

比較したのである。だが死に対してはすべての生物が

一生懸命に抵抗する。それに死はきわめて特殊な兆候を

持っていて、動物をすら恐れさせる。それほど生と死とは

根本的に違ったものである。

 すべての快楽と同様に睡眠もまた一つの癖になる。

まったく、一生の四分の三を眠って暮らした人たちもいるのだ。

そのかわりそうなると、すべての癖と同様にそれはただ

いまいましい結果しか産み出さない。つまり怠惰、不精、

衰弱、鈍感、死というような。

(「眠りについて」 ブリア・サヴァラン著より)


こちらは現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせください。


69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。