モンキー・パズル

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年11月20日はこちらです。


『逃げるアヒル

ポーラ・ゴズリング著 山本俊子訳 ハヤカワ文庫刊


 マルチェックが警官になるまでにはさまざまな経緯があった。

才能というものはまま気まぐれなものであるが、マルチェックの場合も、

さまざまな種子からのびでたものが、表面には現れずに体の内部で

成長をつづけ、それがベトナム戦争という場を与えられてはじめて

運命的な開花をみせたというべきだろう。

 軍隊は持ち前の容赦ない仕方でマルチェックを鍛え、磨いて

その才能を見つけだし、利用した。マルチェックはなんでもこなした。

白兵戦、整備作業、事務、いもの皮むき、文字通りなんでもやった。

どんな仕事でもかまわない、と言っていた。軍隊はマルチェックを

観察し、はかりにかけ、吟味し、試した。そしてその結果、

マルチェックに一つの役割を与えた。ところがその仕事だけは

マルチェックの気に染まなかった。最初からそうだったわけではない。

しかし、しだいにいやになってきた。

 マルチェックは狙撃兵になったのだ。

 〝特別部隊〟の隊長の目から見れば、マルチェックは一つの武器、

ロケット砲やバズーカと同様の武器にすぎなかった。したがって

マルチェックは、武器として最大の損害を敵に与えうる時と場所に

用いられた。

 それはかならずしも、殺るか、殺られるかという場所ではなかった。

軍隊ではそれを〝戦略的消去〟あるいは〝選択消去〟あるいは

〝緩和措置〟などと呼んでいた。それらはみな、一つの言葉を避ける

百の呼び名にすぎなかった。

 殺人。

(本文より)


こちらと、


こちらの原作。


シンディ・クロフォード

なつかしいですね。


こちらは現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせください。


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日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

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ごきげんよくお過ごしください。