復讐するは我にあり

「読んでから観るか、観てから読むか」というコピーがありました。
40歳以上の方ならご存知かと思います。


今回、観てから読みました。


『悪人』。


正直まだ自分の中で消化しきれていないので、
思いつくままに感想を書いていきたいと思います。
読み飛ばして下さい。


まず映画。

http://www.akunin.jp/index.html


前評判どおり、役者陣の演技がみなさん素晴らしい。
特に主演の妻夫木聡さんと深津絵里さん、
とりわけ妻夫木さんの演技は見事です。
登場した瞬間、顔つきがいつもと全然違っていて、
最初自分の目を疑いました。
光石研さんも最高。


佳男役はもう少し軽いイメージの俳優が演じたほうが、
父親の苦悩がより際立ったと思います。
柄本明さんが好演されていただけに余計そう感じました。
福岡出身の元バンドマンということで、
陣内孝則さんはどうでしょう。


祐一と美保のエピソードは残しておいてほしかった。
祐一のどうしようもない孤独感と不器用さが、
観客にひしひしと伝わったのでは。


そして小説。


[]


『悪人』上・下巻 吉田修一著 朝日文庫


佳乃と圭吾の人物像はもっと書き込んでほしかったと思います。
映画を観てとても気になった部分でした。
あまり掘り下げられていなかったので少し残念です。


『私たちは小説「悪人」のこの場面が好きだ。』という冊子が、
書店で配布されていました。
誰にも訊かれてませんが、僕の好きな場面。


祐一が髪を金色にした理由に、光代が共感するところ。


ああ、本当につらつらと書いてしまった。
映画は1度観ただけ、小説も1度読んだだけなのに。
お恥ずかしい・・・。


いろいろと書きましたが、
観ごたえ、読みごたえのある作品であることは、
間違いありません。
まだの方はぜひ。


罪を犯した男女の逃避行といえば、
ROSSOの『人殺し』という曲があります。


これだけの長さで、この世界観の広がり。
チバさんはやっぱりすごいなあ。