読みかけの本を忘れて外出してしまいガク然とする・・・、
という話が桜庭一樹さんのエッセイに出てきます。
今日の僕がまさにそれ。
電車に乗って「さあ本を読もう」と思ったのですが、
肝心の本がない。
いくら探してもない。
上巻のいいところだったのに!
下巻は持ってきてるのに!!
はあ・・・。
我ながら情けない限り。
気を取り直して書店に立ち寄ると、
ちょうど新刊でこれが出てました。
『エコラム』 リリー・フランキー著 マガジンハウス
リリーさん、久しぶりの著作。
『POPEYE』で1999年から2004年にかけて連載されていたのを、
1冊にまとめたものです。
リリーさんの名前を初めて知ったのは、
このブログではおなじみの『映画秘宝』でした。
主に邦画について書かれていたのですが、
それが面白くて。
特に『震える舌』のコラムは傑作。
これに載ってます。
ペンネームとはいえ変な名前だなあと思いながら、
それ以来気にするようになりました。
どなたかがリリーさんを“モテる杉作J太郎”と評されてましたが、
まさに言い得て妙。
『エコラム』を読んでも通底するものは同じですね。
ボンクラ風味に厚く覆われていますが、
そこにあるのは男の純情、他者への温かい眼差し。
ウソだと思うなら『エコラム』に載っている、
「マーライオン現象」というコラムを読んでみて下さい。
まあ、杉作さんの方がだいぶボンクラ度数が高いですがね。
そんな2人の邂逅。
下ネタの中に、キラリと光る真実。
そういえば杉作さんのコラムを読んだのも『映画秘宝』が初めてでした。
何か深い業を感じますね。
『秘宝』よ今夜もありがとう。