ぼくがぼくであること

今日のおすすめ本。

2014年3月21日はこちらです。


『みどりのゆび』

モーリス・ドリュオン著 安東次男訳 岩波少年文庫


 もしわたしたちが、いつかおとなになることだけのために

生まれてきたのなら、あたまが大きくなるにつれて、わたしたちの

あたまのなかには、古いかんがえが、とてもかんたんに住みつきます。

 古いかんがえは、ずいぶんむかしから、本にかいてあります。

だからわたしたちが、ねっしんに本をよんだり、また、たくさん本を

よんだ人のいうことに注意ぶかく耳をかたむければ、かなりはやく、

おとなになることができます。

 そのほか、なににでもまにあわせることができるかんがえ、

というのもあります。これは、いくらでもとりかえのきくかんがえで、

とてもべんりなものです。

 しかし、もし、とくべつの役目をおびてこの地球に生まれ、

とくべつにやらなければならない仕事があれば、そうかんたんに

いきません。ほかのひとにはとても役にたつ古いかんがえでも、

その子のあたまのなかからは逃げていってしまいます。

右の耳からはいって左の耳へぬける。そして、古いかんがえは、

ころんでこわれてしまうのです。

(本文より)


こちらは新装版となっております。

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日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。