わすれなぐさ

ゆうべ心斎橋Pangeaで観た、Drop's。

いやあ、最高でした。


新曲も2曲披露してくれましたが、これがものすごくいい!!


演奏しているメンバーのみなさんの表情からも、

この曲に対する自信が感じられました。

5月14日リリースのCDに収録されるそうなので、

ぜひ多くの方々に聴いていただきたいと思います。



今日のおすすめ本。

2014年3月17日はこちらです。


『乙女手帖』

吉屋信子著 国書刊行会


おちらしと言っても、それはただの、あのおすしやさんや、百貨店の

食堂のおちらしなどとは、まるでちがっていた。

 お祖母ちゃまのおつくりになるのは、大きな平ったいすし桶に、

いっぱいおつくりになるのでごはんのなかには、蓮根や人参や椎茸の、

こまかくきざんで酢にしたものが、まぜられる。そして、一段御飯を

ならべた上には、赤いきれいな海老と、さくら色の小鯛の形をしたままのと、

黄色い菜の花のような玉子焼きの切ったのと、塩むしの鮑が白い木蓮

はなびらのように、ところどころにまざって敷かれ、匂いをよくするために、

青い山椒の葉が、あちこちに乗せられる—その上にまた御飯が

少し平らに積った上に、前よりも、たくさんの、海老と小鯛と玉子焼きと

そして、桜貝が散ったように、梅酢漬けの紅生姜が、きざんで乗せられ、

その上を、青い笹の葉でおさえて、上に落し蓋を落し、その蓋の上に、

重い石をのせて、一晩そのまま置くのだった。(中略)

 切口に、海老や小鯛や玉子が、春の花の山を見るように、揃って

二段にーまるでおすしのサンドイッチのようだった。そしておいしい

匂いがぷんと鼻にただよってくる・・・・・・。

 則子も実子も、日本中のどんな御馳走よりも、このお祖母ちゃま風の

おすしが好きで、向島のおすしーと思い出すだけで、咽喉がごくりと

小犬のように鳴るほどだった。

(本文より)


こちらは函入りの初版本で、現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

69fabulous@gmail.com


日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。