みなさんもミステリの話はお好きでしょ。
というわけでまたまた今日も続きます。
今月号の特集はミステリ映画です。
一昨日も少し書きましたが、
「ミステリ」とは実に広義な言葉。
というわけで本特集でもさまざまな切り口で、
ミステリ映画が紹介されています。
例えば、
「館ものミステリ映画」
「美しき見立て殺人映画」
「俺が愛したハードボイルドミステリ」
「愛しきバカミス映画ベスト3」
「ビックリオチ!」
「どのホームズが好き?」
てな具合。
「ミステリ大好き監督たち!!」という頁では、
アルフレッド・ヒッチコック監督、シドニー・ルメット監督、
ブライアン・デ・パルマ監督など錚々たる面々と並んで、
杉江敏男監督の三人が選出されています。
寡聞にして杉江監督の作品を拝見したことはありませんが、
市川監督と野村監督の作品はテレビ放映も含め、
何度も観返しました。
オールスターキャスト競演の原作ものミステリの海外代表が、
昨日ご紹介した「名探偵ポアロ」シリーズだとするならば、
日本代表は間違いなく市川監督の「金田一耕助」シリーズでしょう。
『悪魔の手鞠唄』 市川崑監督
ミステリとしての面白さもさることながら、
市川監督が映し出す日本の田舎の情景、
そしてそこに建つ旧家の佇まいの、
荘厳といえる美しさ。
若い方には映画『サマーウォーズ』の陣内家を想像してもらえれば、
おわかりいただけるかと思います。
こういう風景はもう、実写映画では観られないのかもしれません。
『犬神家の一族』は後年、市川監督自身の手によって、
リメイクされました。
出来は言わぬが花。
景色ばかりではなく、人間の顔からも、
格調が喪われてしまいましたね。
よりによって、あの役に家政婦はないでしょう。
役者としての品が違うのですから、
どうしようもありません。
ここはどうかひとつオリジナル版をどうぞ。
そこのお姉さん、
お正月休みにお雑煮を食べながら、
観るにはピッタリの作品ですよ。
ぜひご賞味下さい。