今日のおすすめ本。
2014年12月19日はこちらです。
『天狗の面』
土屋隆夫著 角川文庫刊
読者よ。
長い序章は以上をもって終わる。作者の意図するところは、この牛伏村に
相ついで起こった三つの惨劇をかたることにある。
だが、表面的には、奇怪な謎につつまれた三つの連続殺人事件も、所詮は
この牛伏村の人情と風土の中から醸成されたものであった。
読者は土田巡査と共に、しばらくは異様な事件の渦中に歩み入り、彼と共に
疑惑の道程を辿るであろう。
しかも、すべての事実が明らかにされたとき、序章こそ、実は解決のための
終章であったことを覚られるに違いない。
(「序章 天皇の住む村」本文より)
こちらは現在絶版となっております。
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