すこし枯れた話

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今日のおすすめ本。

2014年11月10日はこちらです。


『蝶ネクタイとオムレツ』

高橋義孝著 講談社文庫刊


 一体にオムレツは味で食べるものではない。卵の味は決まっている。オムレツは

焼き上りの姿で勝負するものであろう。柿の葉と柳の葉の丁度中間くらいの形が

理想らしいし、また現に本職のつくったものはそういう形をしている。そして

表面に細かい縮緬皺が寄っている。その薄い皮のすぐ下は半熟状態の卵である。

中までお餅みたいに堅くなっているオムレツは下の下である。そうかといってまた、

フォークで突き刺して、黄色の卵汁が外へ流れ出るようなのも落第らしい。つまり

卵が煮えていないからである。生煮えの証拠だからである。つまり中が半熟で、

それを薄い皮が柔かに包んで、全体の姿が木の葉状になっているというのが、

本来のオムレツらしい。

(「オムレツ作り」本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

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日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。