女優と裸体

一昨日ご紹介したこの本。


韓国映画 この容赦なき人生 骨太コリアンムービー熱狂読本』 鉄人社


園子温が映画『ビーデビル』について語られています。


ビー・デビル』 チョン・チョルス監督


その中の一節に思わず膝を打ち、

大いに溜飲を下げました。


少し長いですが引用させていただきます。


「最後に。

 僕は韓国映画がいちばん良いのは

 女優が簡単に脱ぐことだと思ってます。

 日本の女優も全員脱ぐべきですよ。

 脱がないヤツは帰れ。

 それを声を大にして言いたいです」


よっ!

園子温!!


最近は飲んだらこの話ばかりしていますが、

僕が今のメジャーな日本映画を観ていて、

いちばん違和感を感じ、かつ憤りを憶えるのは、

登場人物を大した必然性もなく事故や病気で簡単に殺すくせに、

登場人物のセックスをきちんと描かないこと。


それってただお涙頂戴の話を作りたいだけじゃないのか。


そのくせ偉そうに命の尊さとか言い出す始末。

本末転倒も甚だしいよ。


僕が多感な時期に憧れた女優さん達は違いました。


例えば、森下愛子さん。

『18歳、海へ』 藤田敏八監督


高橋恵子さん。

『おさな妻』 臼坂礼次郎監督


原田美枝子さん、

青春の殺人者』 長谷川和彦監督


みなさん映画で脱がれています。


それで彼女達は女優としての価値を落としたか?

むしろ逆でしょう。


そういう作品でこそ彼女達は評価され、

今のキャリアの基礎を築かれたのです。


あの頃はよかったなんて言いたくはありませんがね。

一説によると、今は脱いだらCMの仕事が来なくなるとか、

映画にスポンサーが集まらないとか。


どいつもこいつも一体どこを向いて映画を作ってるのかって話ですよ。


その点、園子温監督は有言実行。


園監督が『冷たい熱帯魚』で抜擢された神楽坂恵さんは、

この作品で完全に化けました。

恋の罪』の熱演も素晴らしかったです。


恋の罪』 園子温監督


「試食いかがですか!」


お二人はご結婚もされて、おめでたい限りです。


2012年は、気合いの入った日本映画が、

一本でも多く観られますように。


ぜひご賞味下さい。