非道に生きる

8月!

夏まっさかり!!


と。

大声で叫びたいところですが、

夏の終わりが日に日に近づいてくるようで、

蝉の声もどことなくしんみりと聴こえます。


なんていうんですか、寂寥感。


カレンダーにバツ印をつけてもの憂げな顔をしている下宿先の女学生も、

たぶん同じような心境なのでしょう。


だって夏ですもの。


今日のおすすめ本。

2014年8月5日はこちらです。


『けもの道を笑って歩け』

園子温著 ぱる出版刊


 僕の経験から言って、大企業をバックに製作委員会で映画を作れば、

それだけ口を出す人間の数も多くなります。一社ずつ意見を聞かなきゃ

ならないし、大会社のお偉方がぞろぞろ顔を出してきて、そうした連中の

意見も聞かなきゃならない。その状態で映画を作れば、幕の内弁当にしか

なりません。(中略)

 もちろん、皆さん、初めから「幕の内弁当」を作ろうとしている

わけじゃない。その証拠に、最初は思いきった意見を言ってくれます。

もの凄く恐ろしいホラーをやろう、この上なくエゲツナイ残酷な映画を

撮ろうとか。これは僕の場合で、人によっては面白いコメディーを

撮ろうと話が来ます。

 ところが製作委員会を作って、いろんな人間が意見を言うようになると、

途端に勢いがなくなる。それこそ黒澤明監督の『生きる』(1952)の通夜の

シーンみたいに。「市民課長の死を無駄にするな。お役所仕事をやめて、

市民のために尽くそう」。ところが翌日、酒の酔いも覚めてしまえば、

皆ケロッと忘れてる。(中略)

 こうしてメチャクチャになってしまうのが日本映画なのです。

(本文より)


愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』の園子温監督。

8月30日公開の新作『TOKYO TRIBE』も楽しみですね。



こちらは初版本となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

69fabulous@gmail.com


日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。