さっき読み終わった本。
これまでに怖い本を何冊も紹介してきましたが、
これまでのどの本よりも怖いかもしれません。
これです。
『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』
「記者クラブ』という言葉を、
初めて聞く方も多くいらっしゃると思います。
僕自身も寡聞にして、
筆者の上杉さんがレギュラー出演されていた、
TBSラジオの『キラ☆キラ』で聴くまでは
全く不案内でした。
本書カバーの紹介文には、
「官僚による情報操作、
各社横並びの報道談合、
海外メディアの日本撤退、
すべての根源は「記者クラブ」だった!」
と記されています。
以前ならば眉に唾を付けて、
半信半疑で読んでいたことでしょう。
東北地方太平洋沖地震が発生するまでは。
その後の記者会見を見るにつけ、
本書の指摘がすべて事実であると言わざるを得ません。
特に福島第一原子力発電所の事故に関する報道は、
本当に酷い。
核心をつく鋭い質問をするのは、
上杉さんを始めフリーの記者の方々ばかり。
これでは大手スポンサーである東京電力と、
新聞・テレビという記者クラブメディアとの癒着を、
疑わざるを得ません。
本書が出版されたのが、2010年4月。
それから1年たった今も状況は全く変わっていないどころか、
むしろ悪くなっていると思います。
上杉さんは3月いっぱいで『キラ☆キラ』を降板されました。
これは事実上の更迭以外の何者でもありません。
もはや自浄能力は期待出来ないでしょう。
何よりも怖いのは、
記者クラブという存在自体がタブーで、
一般には知られていないこと。
この本を読むことで一人でも多くの方に、
この問題を知っていただきたいと思います。
ぜひご賞味下さい。