さてさて。

昨日に引き続きまして、

麻耶雄嵩さんの本を紹介したいと思います。


麻耶さんの大きな魅力として、

“底意地の悪い感じ”

を挙げました。

それが思う存分味わえる本です。


[

神様ゲーム』 麻耶雄嵩著 講談社


講談社の『ミステリーランド』というシリーズの1冊。


“かつて子どもだったあなたと少年少女のための”

シリーズとして作られ、

“大人にとびっきりの興奮を、子どもに未来の夢を”

という惹句が付けられています。


僕が2010年のNo.1本に選んだ『恋と股間』。

“寄り道の楽しさと気持ちよさを知っているこどもたちと、

もう一度こども時代からやり直したいおとなのために”、

理論社が作った『よりみちパンセ』というシリーズの1冊でした。


あれのミステリ版と思っていただくと、

わかりやすいかもしれませんね。


子どもでも読みやすいように、文字も大きめ。

ルビもちゃんとふってあります。


あらためて確認しておきます。

建前とはいえ、一応子ども向きなのですよ。


しかしこの『神様ゲーム』。

内容は凶悪。

これ子どもの頃に読んでたら、完全にトラウマですよ!


まさに世界が音を立てて崩れていく瞬間。


底意地の悪さ爆発。

麻耶雄嵩の面目躍如、本領発揮。


最高です。


ちなみこの『ミステリーランド』というシリーズ。

子どもたちに本を好きになってもらいたいという意図からか、

全冊カバー付の、非常に凝った装幀となっております。


作家のラインアップも、

島田荘司綾辻行人有栖川有栖歌野晶午殊能将之

などなど錚々たる顔ぶれ。


全冊揃えたくなる好企画といえましょう。

http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/mystery_land/index.html


最近続刊が出版されないのが気になるところではありますが。


ぜひご賞味あれ。