チョーク!

2018年一発目!!!

いや。

一冊目!!!!!


今日のおすすめ本。

2018年1月8日はこちらです。


ファイトクラブ

チャック・パラニューク著 池田真紀子訳 ハヤカワ文庫刊


 いいか、レイモンド・K・K・K・ハッセル君、きみは今夜ここで死ぬ。

一瞬で死ぬか、一時間かけて死ぬか、選ぶのはきみだ。だから僕に嘘をつけ。

ぱっと頭に浮かんだことを口に出せ。何でもいいからでっち上げるんだ。

何を言おうとぼくはかまわない。ぼくは銃を持っている。

(中略)

 穴埋め問題だ。レイモンド・ハッセルは大人になったら何になりたい?

(中略)

 だろうな、とぼくは言った。じゃあ家に帰ったとして、この先の人生を

どう過ごしたい?やりたいことが何でもやれると仮定して。

 何でもいいからでっちあげろ。

(中略)

 そうか、そういうことならこの場でおさらばだ、とぼくは言った。

さあ、頭をあっちに向けろ。

 死のプロセス発動まで残り十秒、九秒、八秒。

(中略)

 学校へ行ってがむしゃらに勉強するか、あるいは死ぬか。

レイモンド・ハッセルくん、自分で選ぶんだ。

(中略)

 それなら、とぼくは言った。学生に戻れ。明日の朝、目が覚めたら、

学生に戻る道を探すんだ。

 ぼくは銃の濡れた先端を綾の頬に順番に押し当て、次にきみの顎に当て、

次にきみの額に押しつけたあと、そのままにした。きみはいまここで

死んだものと思え、とぼくは言った。

 ぼくはきみの運転免許証を持っている。

 きみの名前を知っている。きみの住所を知っている。ぼくはきみの

運転免許証を処分したりしない。きみの様子を確認させてもらうぞ、

ミスター・レイモンド・K・ハッセル。三ヶ月後、半年後、一年後。

もし学校に戻って獣医への道を歩んでいなかったら、きみは死ぬことになる。

 きみは無言だった。

 さあ、行けよ。きみの短い人生を生きろ。だが、いいか。

僕が監視していることを忘れるんじゃないぞ、レイモンド・ハッセルくん。

チーズを買ってテレビの前で暮らすのに最低限必要な金を稼ぐためだけに

つまらない仕事をしてるきみを目にするくらいなら、殺すよ。

 ぼくはこれで帰る。こっちを振り返るな。

(中略)

 レイモンド・K・K・ハッセルくん。今日の夕食はこれまでに食べた

食事のどれよりも美味いだろう。そして明日は、きみのこれまでの人生で

もっとも美しい一日になるだろう。

(本文より)



この本を新成人のみなさんに捧げます。


日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。