カルトの子

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年9月6日はこちらです。


『洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇』

米本和宏著 情報センター出版局刊


 それでも、それだけのことであったなら、ヤマギシへの関心は次第に

薄れていったろう。事実、時間が経つにつれ農場の光景も村人の柔和な

顔つきも思い出さなくなった。だが、それと反比例するかのように、

私の心を占めるようになったのは一人の男の子の眼であった。

 学園事務局の青木武雄に話を聞いたあと、高等部の宿舎の前で、

その子にばったり出会った。訪問二日目の最後、そろそろ見学を終えようと

していたときだった。午前中の作業を終え宿舎に戻ろうとしてりたその子は、

背丈がとても小さく、疲れ切っていたのか頼りなさそうに、うつむきかげんに

歩いていた。すれちがう瞬間、その子は顔をあげ、私のほうを向いた。

焦点があっていなかった。私は思わずぞくっとした。

 眼が死んでいたのである。

(本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

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日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。