宗教都市と前衛都市

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年9月9日はこちらです。


『百寺巡礼 第三巻 京都1』

五木寛之著 講談社


 京都はたんに古い街ではなく、つねに新しいものを大胆に取り入れ、

その取り入れたものを大事に守りつづけるために、結果として古く

見えるのではないか、と私は思う。

 京都駅前にそびえる京都タワーも、建てられた当初はかなり議論に

なったらしい。しかし、「本願寺さんのおろうそくみたいなもんが建った」

という言葉に、京都市民も納得したという話を聞いたことがある。

 なんとなく奇妙な、シュールな感じのする建物なのだが、これとて、

壊さないで五百年ぐらい保存すれば、けっこう味わいのあるクラシックな

建造物になる可能性があるのではあるまいか。

 そんなことを考えながら、私は京都駅を出て烏丸通を北へ向かった。

道路の両側にはオフィスビルが所狭しとひしめいている。

ここは京都の中心地、典型的なビジネス街なのである。

しかし、五分ほど歩くと風景がガラリと変わってくる。左側には

瓦屋根のついた白壁の塀がつづき、やがて木造の重婚な門が現れる。

その先に、巨大な、圧倒されるような門が、頭からのしかかるように

そびえているのが見えてくる。

 東本願寺の御影堂門だ。

(「東本願寺」本文より)



こちらは初版本で単行本版は現在絶版ととなっております。

信販売もさせていただきますので、

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69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。