既にそこにあるもの

誠に勝手ながら19日(金)は店休日とさせていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。

何卒よろしくお願いいたします。


今日のおすすめ本。

2016年8月17日はこちらです。


『ネオンと絵具箱』

大竹伸朗著 月曜社


 夢を組み立てる素材とは一体何なんだろう。自分が実際に意識してみたものや

経験や感情など、記憶が大きく夢を左右するものだとは思うが、無意識に自分を

通過した出来事もそこは大いに関係しているに違いない。日常の記憶に強く残る

出来事よりも、特に考えたり意識しないまま見えてしまっている世界の無数の

ディテイルの集積が、実は「夢」というものを組み立てている何かの裏側に

ビッシリと貼り付いているのではないか・・・。

(中略)

 自分が生まれる前の世の中の出来事を正確に知ることはもちろん不可能なことだ。

 しかしこの世には書物などに書き残された出来事の断片を手がかりに

研ぎすまされた想像力をもって頭に描くことができる人もいるのだろうし、

またそんな人々にとっては僕らが眺める何の変哲もない退屈な風景も

全く異なる風景としてその頭の中に思い描くに違いない。

(中略)

 そのような人物は自分が生まれ落ちて経験したり記憶したものと、想像力に

基づいた膨大な過去の時間によるヴィジョンが折り重なる夢の時空の中を

歩いているのかもしれない。

(「バクテリアの夢」本文より)


単行本版は現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

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日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。