見えない音、聴こえない絵

復活!!!

今日のおすすめ本。

2017年8月23日はこちらです。


『ネオンと絵具箱』

大竹伸朗著 月曜社


 夢を組み立てる素材とは一体何なんだろう。自分が実際に意識して見たものや

経験や感情など、記憶が大きく夢を左右するのだとは思うが、無意識に自分を

通過した出来事もそこには大いに関係しているに違いない。日常の記憶に

強く残る出来事よりも、特に考えたり意識しないまま見えてしまっている

世界の無数のディテイルの集積が、実は「夢」というものを組み立てている

何かの裏側にビッシリと張り付いているのではないか・・・。

(中略)

 自分が生まれる前の世の中の出来事を正確に知ることはもちろん

不可能なことだ。

 しかしこの世には書物などに書き残された出来事の断片を手がかりに

研ぎすまされた想像力をもって頭に描くことができる人もいるのだろうし、

またそんな人にとっては僕らが眺める何の変哲もない退屈な風景も

全く異なる風景としてその頭の中に思い描くに違いない。

 ここには昔どういう人が住んでいてこういった建物があったといった

単なる知識ではなく、具体的なビジョンを時空を超えて組み上げてしまうことの

可能な人にとって、僕らが何気なく口にする「歴史」という単語にも

特別な意味合いを持たせているに違いなく、また目の前の現実に対する認識も

全く異なって映っているのだろう。そしてそんな人物が見る「夢」を想像する。

(「バクテリアの夢」本文より)


こちらは初版本で単行本版は現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

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69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

お気にいりの一冊が見つかりますように。

今日も明日も明後日も。

ごきげんよくお過ごしください。