包丁文化論

今日のおすすめ本。

2015年12月8日はこちらです。


『カレーライスの話』

江原恵著 三一新書


「美味しいという感覚は、人間にとっては理屈抜きだと思うけど、

それにしてもカレーというのは、嫌いだという人は少ないね。

ぼくんところの子供も、カレーライスだと、今日はごはん食べたくない

なんていわないし、残したりもしない。カレー粉というスパイスに、

一種の魔力があるという感じだなあ。家にあるスパイスといえば、

七色唐辛子と、胡椒ぐらいだが、ふだんの食事で、たとえば味噌汁に

七味をふりかけて食べるなんていうことは、まずしない。食卓の上に、

醤油は出てくるけど、スパイスのびんが置かれることはないからね。

料理するときは、少しは使ってるんだろうけど、胡椒なんか、

しけってびんの中で固まっていることさえある。スパイスなんて、

そのぐらい縁が薄いのに、カレーライスだけは、誰も嫌いな者がない。

これは一体どういうことなんだろうね」

「ふしぎだね。ほんとに。おれも、時々それを考えてみたけれども、

わからないとしか言いようがない。もちろんそれなりの理由は十分に

あるはずだ。さっき、松茸や、蕗や、うどの香りの話を持出したけど、

カレー粉の香りというのは、同じ香りということば使っても、

日本的な香りとは、まったく別種のものという感じだね」

「そうね、それはちょっと結び付かないな。一方は食品そのものの香り、

カレー粉のほうは、香りそのものであって、それ自体は食物ではない」

(中略)

「あっ、そうだ」友人はあたりを見廻してから、「かなり込合ってきたし、

少し腹もへった。この先のそば屋で、カレー南蛮でも食べて、それから

場所を変えよう」と言った。

「それはいい考えだ」

 私たちは外へ出て、そこから数十メートル離れた裏通りの、古い

そば屋に入った。

(本文より)


カレー南蛮!

ぜひご相伴にあずかりたいですなあ。




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