楽園追放

今日のおすすめ本。

2015年12月7日はこちらです。


『パンツァークラウン フェイセズ

吉上亮著 ハヤカワ文庫刊


「9・11以降、正義の味方の定義はずいぶん変ったと思わないか?二つの塔

崩れ去るまでは体制に反抗する者たちだったはずだが、今じゃそいつらは

テロリストとして無差別殺戮を行う悪の権化にされちまっている。そこが

どうにも納得できない。だから俺は—かつての正義に味方することにしたんだ」

 血だらけの笑顔のまま、一言一句詰まることもなく巨躯の男は言ってのけた。

それからぺっと血の塊のような唾を吐いた。夜半過ぎの暗闇は地面に落ちた

赤褐色を飲み込んだ。

(中略)

「周藤速人“元”三等情尉。理由はどうあれオマエは再び、悪事に手を染めた」

 暴走車輛の運転手ー巨躯の男=周藤は、救急班の治療を拒否し、大破した

車のトランク付近に背を預けながらニヤリと笑った。ギラギラした笑顔は

かつての傭兵稼業を想起させる凄みがあった。民間保安企業の従事者で

あれば、情報の程度はともかく彼の名前を聞いたことがない人間はいない。

 ダニエルは視界に表示した周藤速人に関する情報を改めて閲覧した。

海外派遣部隊にも組み込まれていた最精鋭の自衛官がなぜ突然、仲間殺しと

ともに脱走したのか。その後に紛争地域を転々とし、最終的に三年前の

二〇四二年、イーヘブン市に訪れるやなぜあっさりと拘束を受け入れ、

犯罪更生者となったのか。どの転換期においてもその場の思いつきで

行動しているような無軌道さが不気味だった。

(中略)

「神は自らを助ける者を助く—。政府軍だろうが民兵だろうが一般市民

だろうが関係ない。本気で生き残りたい奴に、俺は生き残るための力を

授けてきた。例外はなしだ。助けるつもりなら最後まで助けろ。

見捨てるつもりなら最初から見捨てろ。そう自分に言い聞かせている。

何しろ正義とは自らの意思を突き通すことに他ならない。中途半端な

妥協は悪だ」

(本文より)


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