悠久のとき

今日のおすすめ本。

2015年10月31日はこちらです。


『世界の四大花園を行く—砂漠が生み出す奇跡』

野村哲也著 中公新書


「花の季節は、一日一日、風景が目に見えて変っていくんだ。同じ場所が、

たった一週間で、まったく色の違う花園に生まれ変わる。何度見ても、

神の御業としか思えないね。特にフーハップは動物たちも多いから、

ディープに楽しめると思うよ」

 スプイングボックの十五キロほど東に、コンラッドが三日に一度は

通うという、“動植物の整地”フーハップ自然保護区がある。ナマ語で

“井戸”を意味するフーハップは、冬場に大量の雨が降るところから

名付けられたそうだ。

 入り口のゲートをくぐり、ビジターセンターで簡単な手続きをした後、

レンジャーから渡された地図を手に、園内一周のオフロードに出発。

スタート地点からしてすでに、花の多さに面食らった。

(中略)

スプリングボックから、国道七号線で七〇キロほど南下。

カミエスクルーンに入る分岐点付近に、カモシカそっくりのクドゥが

描かれた看板が見えてきたら、脇道に入る。牧歌的な二つの集落を抜け、

北西へ約二十キロ行くと、広々として丘陵地が姿を現す。

 ここが一九九九年、自然保護区に指定されたナマワク国立公園。

「この国で一番すごいナショナルパークだよ」コンラッドも太鼓判を

押す場所だ。

 入り口で入場料を支払っていると、緑色の制服を着たレンジャーが

肩を叩いてくる。

「花酔いに気をつけろよ!」

 花酔い? いったい何のことだろう?

(中略)

「おーい、大丈夫か?」

 さっきのレンジャーが、様子を見にきてくれていた。

「こんなのはじめてだよ」声をふりしぼるようにそう言うと、

「花酔いのインパクトは、生涯続くから覚悟しておけ!」と

大きな声で笑った。
 
(「第二章 南アフリカ共和国—蛍光色の極楽花園」より)
 

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日々のおすすめ本から、

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