月の砂漠をさばさばと

前回の更新からちょうど一週間。

ごぶさたをいたしまして申し訳ありません。


七分咲きだった桜も満開をとおりこして、

ずいぶんと散ってしまいました。

「すぐに散るからこそ儚くて美しい」なんていったりしますが、

少しでも長く咲いていてほしいものです。


祝!

「私』シリーズ復活!!


今日のおすすめ本。

2015年4月11日はこちらです。


『冬のオペラ』

北村薫著 中央公論社


「名探偵はなるのではない。ある時に自分がそうであることに気づくのです。

いいですか、そのまま頰被りして、死ぬまで、平穏な一般人としての道を

歩むことも出来る──」

(中略)

「でも、事件と巡り会えない名探偵がいたら、その──どうなるのでしょう」

「うむ、そういう先人も大勢いたことでしょうな。生涯、何事もなく過ごした

数多くの先輩達も」

「それでも、《名探偵》なんですか」

「無論です」

(中略)

「《名探偵》というのは、行為や結果ではないのですか」

巫弓彦は、背筋を伸ばしたまま答えた。

「いや、存在であり意思です」

(本文より)


装画はおーなり由子さん。

《名探偵》巫弓彦を描いた、北村薫さんのノンシリーズものであります。

「祝!シリーズ復活!!」を謳いながら、「私」と「円紫さん」は登場しません。

あしからずご了承ください。


こちらは初版本で単行本は現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。