誠に勝手ながら5日(日)、6日(月)は店休日とさせていただきます。
ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。
何卒よろしくお願いいたします。
4月。
もうすっかり春になったのですね・・・。
などと桜を眺めながら口を開けてぼんやりしておりましたところ、
こんなニュースが。
“時代絵巻、飛騨に春 生きびな祭、女性ら練る 岐阜・飛騨一宮水無神社“
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150404-00010000-gifuweb-l21
これはこの本を紹介せねばなりますまい。
今日のおすすめ本。
2015年4月3日はこちらです。
『遠まわりする雛』
米澤穂信著 角川文庫刊
千反田は十二単を着て現れた。
一番外が、橙。一つ内が、桃。浅葱。品良く落ちついた黄。白。模様は車輪。
柔らかく重ねられた手には扇。扇には五色の紐がかけられている。千反田は化粧して、
伏し目で、そっと境内に歩み出る。ほんの数歩を歩くだけで、千反田はこういう
場合に美しく見える歩き方を会得しているのだとわかった。
ああ、と俺は思った。
これは良くないな、と。こういう装いは良くない。しまった。たぶん、なんとしても、
俺はここに来るべきではなかった。
というのは、つまり、どういうことかというと。
つまり・・・・・・。
(中略)
精一杯に無愛想を装い、俺はこう言った。
「寒くなってきたな」
しかし千反田は、少し驚いたように目を見開き、それから柔らかく微笑んで、
ゆっくりとかぶりを振った。
「いいえ、もう春です」
(「遠まわりする雛」本文より)
こちらは初版本となっております。
通信販売もさせていただきますので、
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69fabulous@gmail.com
日々のおすすめ本から、
貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。