月夜の蟹

ゆうべは満月。

店を出て歩き出すと、

正面に月が浮かんでおりました。



冬の寒さにはこれっぽっちも未練はありませんが、

あの張りつめた空気の感じは別。

なぜだか不思議と嫌いになれません。


冬の月はことのほか明るく見えるものです。


さてさて。

月の夜といえば、

真っ先に思い浮かぶのはこの小説。


魍魎の匣』 京極夏彦著 講談社


物語の発端となる出来事が起こったのは、

月の夜のことでした。


「月光の中でだけ、生き物は生命の呪縛から逃れることができるんだ」


京極堂シリーズの中でも最高傑作との呼び声の高い本作。

姑獲鳥の夏』に続いて映画化もされました。


魍魎の匣』 原田真人監督


映画版はあまりいい評判を聞かなかったものですから、

結局のところ観ておりません。


実際にご覧になった方がおられましたら、

ぜひ感想をお聞かせ願いたいと思います。


この作品、アニメにもなっているのですが、

こちらも未見のまま。


どうにも不勉強でいけませんね。


店のベランダからは今も月が見えます。

今夜の月は朧月。

みなさんもちょいとご覧あそばせ。


外は寒いですよ。

くれぐれも風邪などひかれませぬよう。

ご自愛くださいませ。