少女七竈と七人の可愛そうな大人

昨年末ぐらいから勃然と湧き上がってきた、

韓国への憧憬。


先日ついにその念願が叶い、

仁川空港に降り立ちました。



ソウルの街はとても活気に溢れ、

そこに住んでいる人にも勢いがあります。


韓国では奇跡は起こりませんでしたが、

女神に逢うことが出来ましたよ。


彼の地の余韻に浸りつつ観た映画。

こちらです。


『アジョシ』 イ・ジョンボム監督

http://ajussi2011.jp/pc/



映画秘宝』10月号でその存在を知ってから、

観たくてたまらなかった作品。

レイトショーで観てきました。


僕は洋邦問わず、映画の宣伝文句にやたらと、

「感動!」だの「泣けます!」だの使いたがるのは、

現状の日本映画界の悪癖にして、最大の弊害だと思います。


今度の『猿の惑星』のコピーなんて

「驚いた!今度の“猿”は泣ける」だって。

恥ずかしくて猿が泣くわ。


必要以上に感動したがりの風潮も、反吐が出るくらい大っ嫌い。


ですが。

この映画にはあえて言わせて下さい。


滂沱の涙を流しながら、アクションシーンを観たのは初めてです。


それもひとえに主演二人の存在感。


作品のタイトルにもなっている「おじさん」役の、

ウォン・ビン



無垢な瞳。

表情、肉体、アクション。


世界で二番目にカッコいい男です。

今、僕が決めました。


そして少女役のキム・セロン。




物語の冒頭、彼女が画面に登場するだけで、

その佇まいに胸が締め付けられそうになります。

あんな顔で見られたらもう・・・。


ウォン・ビンならずとも、身を賭して守らずにはいられまいて!!


兄弟、刑事、ボディガード等、

脇を固める役者陣もみんな素晴らしい。


怒ったり、緊張したり、興奮したり、号泣したりと、

映画を見ている間中ずっと、ここまで感情を揺さぶられたのも、

彼らの熱演の賜物でしょう。


もちろん自ら脚本も書かれている、

イ・ジョンボム監督の手腕も見逃せません。


銃器の扱い方を始め、アクションシーンの切れ味の鋭さ。


映画秘宝』11月号のインタビューによると、

元々の主人公のイメージは北野武だったそうです。


そっちも観てみたかったなあ。


韓国では2010年興行収入ナンバーワンの本作。

日本でもヒットしているらしいのですが、

僕が観た回は、観客が僕を含め六人のみ・・・。


みんな早く劇場に駆けつけないと!


「どうせ韓流の男前が出てる、女性向きの映画だろ」

と敬遠しているご同輩も、騙されたと思って観て下さい。


絶対に損はさせません!!


ぜひご賞味下さい。