『見当たり捜査官』を読了。
警視庁捜査共助課所属の久米山を主人公にした連作短編集。
久米山は警視総監賞を授賞したほどの経歴の持ち主ですが、
最近はスランプ気味。
そんな久米山の悪戦苦闘が描かれます。
たよりは自分の目と勘だけ。
ひたすら街を歩き、雑踏の中から指名手配犯を見つけ出す。
それが見当たり捜査官の仕事。
見当たり捜査官とは聞き慣れない言葉ですが、
実在するようですね。
そういえば以前テレビのドキュメントで見た気がします。
いわゆる警視庁24時的なやつ。
トカジ作品にしては比較的まともで読みやすいと思います。
まあ、あくまでもトカジ作品としてはですが。
まったくカタルシスのないラスト1行。
大爆笑しました。
ぜひ続編かスピンオフ作品を読みたい。
ところで、この表紙。
『誘拐の誤差』や『判決の誤差』もそうだったけど、
双葉社から出てるトカジの犯罪小説は大体こんな感じ。
これが元ネタでしょ。
全然テイストが違うよ！
完全に確信犯ですね。
あっぱれ双葉社。
横山作品のような硬派な警察小説を期待して、
腰をぬかしてる人が多いにちがいない。
それはそれで痛快です。
