幸福は永遠に女だけのものだ

今日のおすすめ本。

2016年2月12日はこちらです。


『女のエピソード』

澁澤龍彦著 河出文庫


 フランス十八世紀のロココ時代が、ちょうど彼女の生きていた時代であった。

ロココ趣味といえば、繊細で優雅で洗練された、享楽的な貴族文化の極地である。

ごてごてした渦巻の曲線模様などが、すぐ私たちの頭に浮かぶ。現代の

ファッション界でもロココ調などという言葉が使われているのを読者はご存知で

あろう。フランス王妃マリー・アントワネットこそ、この十八世紀のロココ趣味の

典型的な代表者だったのだ。

 マリー・アントワネットは自分の好みにあわせて、ヴェルサイユ庭園の片隅に、

プチ・トリアノンと呼ばれる別荘をつくった。それは美しい女王にふさわしく、

極度に線が細くて、うっかりすれば崩れてしまいそうな繊細な様式の建物であった。

マリー・アントワネットはここで仮面舞踏会を催したり、芝居を演じさせたり、

はては、池や小川や洞窟や、農家や羊小屋さえある牧歌的なその庭で、若い騎士たちと

かくれんぼをしたり、ボール投げをそいたり、ブランコ遊びをしたりして、気ままに

遊び暮らしていたのである。

(中略)

 この無知な遊び好きの王妃様が。やがて牢獄に押しこめられ、裁判所にひきずり

出され、荷馬車にのせられて広場に連れて行かれ、ギロチンで首を斬られるまでの

短い期間、まるで人間が変ったように、威厳にみちた、気高い態度の王妃様に、

一変してしまったのだから、まことに不思議である。不幸によって、彼女は

きたえられ。その悲劇にふさわしい大きさにまで成長したのだ。

(「マリー・アントワネット」本文より)


こちらはソフィア・コッポラによるマリー・アントワネット伝。

本作のキルスティン・ダンストは可愛かったですね。


マリー・アントワネット

ソフィア・コッポラ監督 


こちらは旧版で表紙ちがいとなっております。

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