散歩のとき何か食べたくなって

年もあらたまったことだし、なにか新しいことを始めてみよう!

というわけで、Instagramのアカウントを作りました。


http://instagram.com/69fabulous


まだまだ使いかたがわからず、ゆえに楽しみかたもわからず。

Twitterとの使いわけも含め、まだまだ手探りではございますが、

よろしければご覧くださいませ。


今日のおすすめ本。

2015年1月6日はこちらです。


『食卓の情景』

池波正太郎著 新潮文庫

 だが、私が、もっとも好むポーク・カツレツは、銀座三丁目の[煉瓦亭]と、

目黒に本店をかまえる[とんき]のそれである。

 [煉瓦亭]のカツレツは、私が十四、五歳のころから食べつづけてきている。

ここは他の料理もいろいろとできるが、なんといっても皿からはみ出すほどの

大カツレツが名物で、私も若いころは、これを三枚は食べたものだ。いまは

一枚でもいけない。カツレツの上を食べる。

 この店の扉を開けたとたんに、ぷうんと鼻先にただよう香りこそ、まさに、戦前の、

日本の洋食屋のなんともいえぬ香りだ。

 私にとっては、まことに貴重で、なつかしい、うれしい香りなのである。

 狐色に揚がったやつにナイフを入れると、パリッところもがはがれる。

これがたまらない。

 ウスター・ソースをたっぷりかけて、キャベツも別に一皿、注文しておいて食べる。

 ウイスキーソーダ二杯で、このカツレツを食べ、米飯を、ちょいと食べるのが、

いつもの私のやり方である。

 勘定、安い。

 銀座の老舗の良心が、うかがえる。

(「とんかつとカツレツ」本文より)

 
初めて読んだ池波作品は『剣客商売』でも『藤枝梅安』でも『鬼平犯科帖』でもなく、

この『食卓の情景』でした。

僕が池波フリークになるきっかけとなった一冊。

折りにふれ読み返しています。


とはいえ煉瓦亭のカツレツはいまだ未体験。

いつか食してみたいものです。


信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。


貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。


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