幻夢の時計

今日のおすすめ本。

2014年9月20日はこちらです。


『地を穿つ魔』

ブライアン・ラムレイ著 夏来健次訳 創元推理文庫


 伯父は不意にカッと大きく目を見開くと、すごい勢いで振り返った。「大地が

割れようとしている!やつらの大群のせいで・・・・・・ああ、坑に落ちる!

・・・・・・夢じゃない!なんてことだ、夢じゃないんだ!・・・・・・だめだ、

そこに近づくな!聞こえてるのか?ああああ・・・・・・どろどろしたものが

・・・・・・逃げろ!早く!離れろ、その声のするほうから—“声”なのか?

—なにかを吸いこむようなあの音と、呪文のような声から、離れるんだ!

・・・・・・」

 
伯父は前触れもなくいきなり自ら呪文を唱えはじめた。ぞっとするその声が、

もはや遠い距離にゆがめられることもなく、厚い硬いドアにさえぎられる

こともなく、間近で耳にとびこんでくる。わたしより臆病な者なら卒倒しても

おかしくないような響きだ。それはあの夜に聞いた音声にそっくりだ。

呪文の文言というものは、紙に書いたものならばそれほど邪悪には見えず、

むしろほとんど荒唐無稽としか思えないほどだが、しかし自分自身の血肉に

つながる者の口から発されると—しかも、こんな不自然なほどの流暢さで

唱えられては・・・・・・



  えぷ えぷ - ええす ふる・ふうる ぐはあん、

  ぐはあん ふたぐん しゃっど - める ひゅあす ねぐぐ・ふ




(本文より)


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