創造の狂気

今日のおすすめ本。

2016年7月13日はこちらです。


『メイキング・オブ・ピクサー 創造力をつくった人々』

ディヴィッド・A・プライス著 櫻井祐子訳 早川書房


 ジョブスは暇をもてあましていた。ある日、かれは散歩に出ることにした。

ケイと健康食レストランに立ち寄り、それからスタンフォードにほど近い

カリフォルニア運輸局の鉄道線路沿いを散策した。ケイはルーカスフィルム

友人の話をした。「すごいグループが分離独立しようとしていて、かれらが

既に知っていることと、これから解明したいと思っていることを活用すれば、

いろんなことができそうだという話をした」ケイは回想する。

 ほどなくしてキャットムルとスミスは、シリコンバレーのウッドサイド村にある

ジョブズのスペイン・コロニアル様式の大邸宅に出向いた。アップルで

ジョブズと仕事をしたことのある友人たちは、こぞって二人に警告した。

ジョブズは会合の間は魅力をふりまくだろうが、契約したが最後、とんでもなく

ひどい仕打ちをしてくるぞ。それでも二人はかれの話をじっくり聞こうと、

カーナー大通りからやって来たのだった。財務の話が出た場合に備えて、

ルーカスフィルムの事業開発部門からアジット・ギルも同席した。

(中略)

 キャットムル、スミス、ギルは、午後一杯をジョブスと過ごした。

ジョブスはスカリーへの不満を腹立たしげにぶちまけながらも、

コンピュータ部門に持っている構想を語った。最後にかれらを外に散歩に

連れて行き、グループを買収して経営したいと言った。キャットムルと

スミスは、それには興味がないと返事をした。ジョブスの金を投資として

受け入れる用意はあるが、事業は自分たち自身で運営したいのだと。

かれらは友好的に別れた。別れ際、ジョブスはルーカスフィルムの提示価格は

高すぎる,下がったら知らせてくれと言った。五〇〇万ドルってとこだろう。

(本文より)


みんな大好き、ピクサー

最新作の『ファインディング・ドリー』が今週末から全国公開されます。


ファインディング・ドリー


こちらは初版本となっております。

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日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。