いったいどうしたことでしょう。
昨日、今日と続けてのこの気温。
ぽかぽか陽気というよりも、ほかほか陽気。
革ジャンを着て歩いていると汗ばむほど。
あれだけさんざん早く暖かくなってほしいといっておきながら、
こころとからだの準備をまったくしておりませんでした。
まずは衣替え。
急がねばなりますまいて。
今日のおすすめ本。
2015年3月18日はこちらです。
『感情漂流』
イヴ・シモン著 永瀧達治訳 集英社刊
彼らには、そこにいて、そこにいないような奇妙な感じがしていた。
そこにいるというのは、彼らがそこで生活し呼吸しているからであり、
建物や車や見知らぬ人々がいる街の存在を自分たちの目で確認している
からである。そこにいないというのは、その街の騒音や佇まいなどすべてが、
彼らには、あまりよく理解出来ないからである。
彼らは自分たちがそこにいるという安心感が得られ、保証してくれる
様々な物や存在、つまり自分たちを見守る観客を常に求めていた。今日、
ポン・ヌッフ橋からセーヌ川に日が落ちるのを見て感動したとか、
クリッシー広場の地下鉄駅の出口で、メロディを奏でる鋸の音色に
身を震わせたと言えること・・・・・・『それらはコンサートや映画から
伝わってくるようなイメージでも音でもない、この場所だけの他の誰のもの
でもない、ささやかなことだけど、自分だけのものなんだ』
流行しているのは、雪上、水上、草の上などを滑るスポーツである。
支えもなく、スピードや波に身を任せるスポーツである・・・・・・。
彼らは、時にはパンタン門のプールに出掛ける。しかし、彼らは自分たちの
感情の頂点を絶え間なくサーフィンで滑っているような感じがしている。
表面をかすりながらの横滑り、まさにそれだ。彼らは最初も終りのないゲームを
しているのだ。出来るだけ長くバランスを保つというゲーム。けがをしないように、
ポーズを崩さず、それは動作だけのはかない美しさのため。
揺れ動く現実世界の上を滑る人生。
(本文より)
やっと逢えたね。
こちらは初版本で現在絶版となっております。
通信販売もさせていただきますので、
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日々のおすすめ本から、
貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。