猫のあしあと

今日は猫の日、めでたい日。

ニャーニャーニャーと猫三匹。

なかよくお昼寝楽しいな。


ニャーニャニャニャニャニャニャー。

あ、まちがえた。

今日のおすすめ本。

2015年2月22日はこちらです。


『猫にかまけて』

町田康著 講談社


 それに比して猫はというと、別段まめである必要はなく、どちらかというと

横着こそが猫の本質であるといもいえ、例えば勤勉な猫というのがいたら気色が

悪いだろうね、しゃきしゃき毛繕いをして、しゃきしゃき香箱をつくり、

一月元旦には黒豆を食べる、なんて猫がいたら妙だし、あまり可愛いとは思わない、

そこはやはり猫は猫らしく横着にしていて貰いたいものである。

 しかしながら何事にも程度問題というものがあるのではないか、と自分は思う。

というのは拙宅に住居いたしおるところのゲンゾ—なる猫の問題である。例えば、

先ほどからこの原稿を書いている足許に、ゲンゾーがやってきて、猫が、遊ぼう、

と人を誘うときによくやる仕草、すなわち床、地面に背中をこすりつけくにくにする、

そういうことをやってさえゲンゾーは横着で、くにくにする力を節約、横になって、

後肢で床を蹴り、前肢の爪を出して床にひっかけ、その力で円を描くように

じりじり移動するなどという横着なことをして、ちゃんと腹を出し、背中を床に

こすりつけてくにくにせず、その様は、まるでアマノジャクが匍匐前進の稽古を

しているようなのである。

(本文より)


信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。