木でできた海

誠に勝手ながら20日(金)は店休日とさせていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。

何卒よろしくお願いいたします。


明日は雨水。

雪が雨に変わり寒さがゆるんでくるそうです。

こないだも書きましたが、早く暖かくなってほしいですね。


今日のおすすめ本。

2015年2月18日はこちらです。



 
死者の書

ジョナサン・キャロル著 浅羽莢子訳 創元推理文庫


 ミズーリ州の朝まだき。車が二、三台通り過ぎ、ぼくはあくびをした。

小さな男の子が通りかかった。コーンに入ったアイスクリームをなめなめ、

空いているほうの手をフレッチャー夫人の垣根のてっぺんに走らせてる。

鮮やかな緑色のピスタチオ・アイスクリームを手にしたトム・ソーヤという

ところだ。ぼくは夢見ごこちで眺めながら、朝の八時によくまあアイスクリーム

なんか食べられるものだと考えてた。

 男の子は左右を見ずに道を渡り出し、とたんに小型トラックに空中に

放り上げられた。トラックがスピードを出してたので、窓から見える範囲を

遠く超えて投げとばされ、見えなくなった時はまだ上へ向かってた。

「大変だ!」椅子の上からズボンをひったくってドアに駆け寄った。

クソニーが呼ぶのが聞こえたが、説明しに立ちどまったりはしなかった。

人がはねられるのを見たのは二度目だ。一回はニューヨークで、その男はもろに

頭から着陸した。ポーチの階段を二段ずつとびおりながら、こういうことは

なんて非現実に見えるものだろうと思った。ある瞬間、人が友達と喋ったり

緑色のアイスクリームを食べたりしてるのを目にする。と思うとドンと

勢いのある音がして、人間の体が空中をとんでいくのが見えるのだ。

(本文より)


こちらは初版本の旧装版で表紙ちがいとなっております。

信販売もさせていただきますので、

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69fabulous@gmail.com


日々のおすすめ本から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。