九月。
雨。
どうしたってこの唄を想起せずにはおられますまい。
九月の雨は冷たくて、優しいそうな。
今月も気持ちいいことがいっぱいな月になりますように。
今日のおすすめ本。
2014年9月1日はこちらです。
『松田優作 炎 静かに』
座って紹介された時は感じなかったのだが、その背が高いのには驚いた。
こちらも百七十五センチだから普通以上なのだが、それでも見上げて話す
というのは、プロレスラーの天竜のインタビュー以来だった。横幅はそれほど
なかったけれども、独特の威圧感があった。のちに、ルトガー・ハウアーや
ドナルド・サザーランドという大型の俳優と話した時ですら、これほどの
威圧感と緊張を感じたことはなかった。
「いいか。撮影もここまで来ると、スタッフは皆、空気のように現場に
溶け込んでいるから、どこでウロウロしていても気にならない。だけど、
そんなところに生の人間が入ると、そいつだけが目立ってどういしようも
ないんだ。映画をやっているんだったら、そのくらいは分かるだろう」
意外だった。頭ごなしにくることを覚悟していたものの、その言い方、
そして論理が明晰で、なんの反論もしようがなかった。瞬間的に、今まで
松田優作について聞いてきたことは違うのではないかと思った。
(本文より)
このエピソードは映画『華の乱』撮影時のもの。
ただの文芸大作ではなく、深作監督らしい外連味あふれた映画でした。
こちらは現在絶版となっております。
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