宵山万華鏡

今夜は宵山


街中に、

“ちゃん・リン・シャン“ 

の音色が響きます。


いつもはお転婆な下宿先の女学生も、

朝顔柄の浴衣姿で淑やかに出かけていきました。


京都の夏がまた始まります。



今日のおすすめ本。

2014年7月16日はこちらです。


『ホルモー六景』

万城目学著 角川書店


 食堂の外に出ると、厳しい陽射しが振り注いでいた。今年の夏も、

いつもの如く灼熱の日々が、この京都の街に訪れるのだろう。

「何だか、祭りの雰囲気を感じるね」

 東大路の空を見上げ、高村がつぶやいた。うむとうなずき、

俺は浴衣の帯を締め直す。露天もなければ、コンチキチンも

聞こえてこないのに、祭の気配が街全体を覆っていることが

感じられるから不思議だった。(中略)

 懐の銀時計をちらりとのぞいた。まだ時間はある。と俺は一つ、

大あくびをした。

 祇園祭宵山を目指し、バスは東大路通をのんびり下っていく。

(本文より)


単行本は現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。

69fabulous@gmail.com


日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。