宝さがしの子どもたち

今日のおすすめ本。

2014年3月4日はこちらです。



『若草の祈り』

E. ネズビット著 岡本浜江訳


 あなたはパンを焼く日に農家の台所へ行って火のそばにパン種を

発酵させる大きなかめがおいているのを見たことあるかしら?

もしあるとして、もしそのときあなたが、まだ見るものすべてに

興味をもつだけ若かったとしたら、きっと巨大なマッシュルームみたいに

ふくらんだ柔らかいパン種に指をつっこんでパンをへっこましてみたい

誘惑にかられてどうしようもなくなったことをおぼえていると思うわ。

そして指がパン種に穴をあけ、それからまたゆっくりと、だけど

きわめて確実に、穴が消えて、パン種はさわる前とまったく同じように

もどったこともおぼえていると思うの。もちろん、この場合に手がうんと

汚れていれば、当然すこし黒いしみはのこってしまうけれど。

(本文より)


こちらは現在絶版となっております。

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日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。