三月は深き紅の淵を

ごぶさたをしておりました間に月が替わりましたね。

多少なりとも暖かくなり、なんともいい気分ではありませんか。


あまつさえ、今日はサニーの日。

曲も映画も車も大好きです。





女神については、いわずもがなでありましょう。


今日のおすすめ本。

2014年3月2日はこちらです。


『コッコロから』

佐野洋子著 講談社文庫


 その時、急に肩をぎゅうとつかまれた。

 驚いたことに、ジョン・ローンのような男が、ぴったり私に寄りそって、

「ごめん。だまって、前を見て歩く」と、きっと前方をにらんだまま低い声で

ささやいたのだ。

「わけはあとで離す、ごめん」

 私は男があんまりハンサムなのに驚いて、反応というものが停止してしまった。

 誘拐?母と父の顔がよぎった。それはない、家は貧乏じゃあないけど、

人に目をつけられるほどの金持じゃない。

 ジョン・ローンは、横断歩道の真ん中に来ると私のひたいに唇を押しつけて、

さっと離した。

(本文より)


こちらは表紙ちがいの初版本となっております。

信販売もさせていただきますので、

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日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。