復活！！！
今日のおすすめ本。
2017年9月27日はこちらです。
『振り返れば地平線』
ゴーグルの隅に、水滴がコツンとはじける。
時間を置いてもうひとつ。
ぼくは道の先に据えた視線を空へと振った。国道235の行く手の空には、
低くグレーの雲が垂れこめている。雨雲だった。
水滴は計器盤のガラスの上にはじけ、バイクのタンクの表面に砕け散る。
はじめ間歇的に、気まぐれに落ちていた雨は、走るにつれて勢いを増し、
やがて間断のない本降りとなった。
雨を好むツーリストはいない。
（中略）
雨具を着こむ。できれば通気性のある素材の高級品を。グローブは軍手に替える。
ブーツの上には防水のオーバーシューズ。持ち合わせがなければビニール袋でいい。
靴をすっぽり突っ込んで、クラフトテープを巻く。首にはタオル。雨水が衿もとから
流れこまぬようにだ。
頬もむき出しにしてはいけない。雨粒は小石にでもなったかと思えるほど
強く頬を打つ。肌が内出血を起こすこともある。だから顔はすっかりシールドで
覆うのが理想だ。シールドをつけないならば、バンダナで覆面風に頬を覆っていい。
とにかく、雨の中をツーリングするとしたら、これだけのことはしなくちゃ
ならない。どれかひとつ手を抜くと、その分だけツーリングが疎ましくなる。
旅発った自分に悪罵を投げつけたくなる。それが嫌なら、雨への対策だけは
怠らないことだ。
（本文より）
こちらは初版本で現在絶版となっております。
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お気にいりの一冊が見つかりますように。
今日も明日も明後日も。
ごきげんよくお過ごしください。
