今日のおすすめ本。
2015年1月13日はこちらです。
『わたしはロボット』
アイザック・アシモフ著 伊藤哲訳 創元SF文庫刊
「わたしはあなたの心の中が見えるのですよ」ロボットが続けた。「そしてあなたには
それがいかに複雑きわまりないものかご存知ないんです。わたしにしてもそのすべてを
理解することはとてもできません。なぜなら、わたし自身の心は人間のそれと共通点が
ほとんどないからです──しかしわたしはやってみようとしてますし、それには小説が
大変役に立つのです」
「それはそうでしょう。でも現代のセンチメンタルな小説を読んで、わくわくするような
感情経験を味わった後では」──彼女の声には苦々しいひびきがあった──
「わたしたちの現実の心は冴えないし、変化に乏しいように見えるのじゃないかしら」
「しかし、そんなことはありません!」
(中略)
「あなたは間違っています!」ハービーは鋼鉄の拳骨でプラスチック張りのテーブルを
たたいたため、きしるようなひびきがきこえた。「わたしの言うことをきいて下さい──」
しかし、スーザン・カルヴィンは、ぐいと彼のほうに身体をむけた。追いつめられた
苦痛のこめられた目が火のように燃えている。「どうして間違うはずがあるの?あなたに
そんなことが分かっているはずがないじゃないの。何といったってあなたは・・・・・・
あなたは機械なんだから。わたしはあなたにとって、単なる一種属にすぎない。奇妙な
心がべったりとはりついて、調べてみるとおもしろそうな標本の昆虫みたいなものよ。
でもこれは挫折感なるものの素晴らしい実例ではなくて?あなたの好きな書物と
同じくらい素晴らしいわ」次第に乾いた嗚咽がこみ上げて来て、彼女は声をつまらせて
沈黙した。
ロボットはそのような感情の発露におびえているようだった、彼は哀願するように
首を振った。
「お願いですから、わたしの言うことをきいてもらえませんか?もしお許し下さるのなら、
あなたを助けてあげられますから」
(「嘘つき!」本文より)
ロボットといえばアシモ、
じゃなくてアイボ。
いま見ても、やっぱり可愛いです。
生産自体はしばらく前に終了しておりましたが、
なんでも修理サポートまでやめてしまったとか。
ペットとして販売してきながら、ずいぶんとひどい話じゃありませんか。
まあ、あの会社がやりそうなことですけどね。
通信販売もさせていただきますので、
お気軽にお問い合わせくださいませ。
貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。