緑のマント

誠に勝手ながら17日(木)、18日(金)は、

店休日とさせていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。

何卒よろしくお願いいたします。


そこかしこにわずかにへばりついていた夏の名残りを、

こないだの台風が吹き飛ばしてしまったようです。


朝晩すっかり涼しくなりました。

いや、涼しいというより寒い。

寒すぎます。


これはもう冬到来といっても過言ではございますまい。


なにを大げさなと笑うことなかれ。

みなさんも風邪などひかれませんよう。

ご用心ご用心。


今日のおすすめ本。

2014年10月16日はこちらです。


『紅はこべ』

オークシイ著 中田耕治


 容姿の点で、サー・パーシー・ブレイクニーはまぎれもなく美男だった。

—例の、もの倦げで、退屈しきったようなようすがなければ、の話だが。

いつも非のうちどころのない服装で、パリから直輸入の、どぎもをぬくような

「奇想天外な」ファッションを、イギリス紳士特有のみごとな上品さで

着こなしている。

 この特記すべき九月の午後、長い馬車の旅、雨。ぬかるみにもかかわらず、

コートは形のいい肩にみごとな着こなしで、極上のメクリンレースの

飾りひだのついた袖ぐちからあらわれている手は、女の手のように白かった。

—思いきってウエストの短いサティンのコート、ラベルのひろいウエストコート、

ぴっちりあったストライプのズボンは、たくましいからだをみごとに

ひきたたせていた。

(本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

お気軽にお問い合わせくださいませ。



日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。