今日のおすすめ本。
2014年7月26日はこちらです。
『ワダエミ 世界に仕事をするということ』
ワダエミ著 千葉望著 新潮社刊
着物や洋服を誂える時も、ワダは親任せにせず、自分で考えるのが
好きだった。自分の好みがはっきりしていて、必要であればデザインや
柄のスケッチを描いて渡し、欲しい生地がなければ自分で輸入生地店に
足を運び、あれこれさわって確かめながら選んだ。(中略)
たとえば上等の反物や洋服生地が持つ手触りや着心地。仕立てや
さまざまな加工の質。色の取り合わせの妙。工藝技術の確かさ。
それらの「テクスチャー」がワダの体のなかにしみ込んでいる。
(「京都育ち」本文より)
太平洋戦争が終わった時、私は8歳。思春期を迎えた時期の京都は、
まだものはなかったけれど、自由な空気が満ちていたの。特に美大に
進んだ頃は日本が成長期を迎えて、勢いと明るさがあったし、
美大生たちものびのびと学生生活を送っていた。そういう時期に
青春時代をとても幸運だったと思うわ。
(「時代」本文より)
こちらは初版本となっております。
通信販売もさせていただきますので、
お気軽にお問い合わせくださいませ。
69fabulous@gmail.com
日々の“おすすめ本”から、
貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。