復活!!!
今日のおすすめ本。
2017年8月27日はこちらです。
『斬首の光景』
ジュリア・クリステヴァ著 星埜守之 塚本昌則訳
だが、頭に戻ろう。頭蓋と顔に。
(中略)
こういった原始芸術の考古学のなかで、ある独特な位置を占めるのが、
頭蓋 −死者たちの加護と贖罪の儀式の、物質的な支持体− の崇拝である。
とはいえ、このアルカイックな領域、すなわち、科学が伝説と覇を競い、
大胆ではあっても支持しうるものと思われていた仮説の数々が、毎日のように
DNAによって失墜させられている、そんな領域にあえて踏み込むにあたって、
私たちは、人類学者たちの学識や、遺伝学者たちの技術と競い合おうという
つもりはない。そうではなくて、双方の人たちの著作を、私たちの経験や欲望を
投影するかたちで選択的に読みながら、現代的であると同時に時を超えた問いの
数々がが仄見えているこの夜のなかを、進んでいくことができるかもしれない、
ということなのだ。表層の力とはいかなるものなのか?イメージは死をもたらす
暴力に屈するのか、あるいはその暴力を転調する恵みを帯びているのか?
この聖なる空間、もしかすると、みずからの情熱や有限性と格闘する私たちの
内在性そのものにほかならないのかもしれない、この空間が構成されるのは、
供養のいかなる錬金術によるのだろうか?どのようにしてこの内在性は
生じるのだろうか?
(「頭蓋−崇拝と芸術」本文より)
こちらは初版本では現在絶版となっております。
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