6年目に突入して早5日。
なにやらバタついておりましたが、
ようやく落ちついてまいりました。
お祝いのメッセージをくださった方。
直接ご来店くださった方。
本当にありがとうございます。
RUDE GALLERYさんからはお花をいただいてしましました。
コラボアイテムを製作していただいただけでも、
もったいないくらいなのに。
さすが。
花までカッコいい！
本当に感激であります。
今日のおすすめ本。
2015年8月15日はこちらです。
『トーキョー・プリズン』
柳広司著 角川文庫刊
「本当もなにも、ニシノ、きみはよく知っているはずじゃないか」ボビイが友人を
励ますように言った。「日本を今度の戦争に導いた連中はみんな、いまじゃ
スガモプリズンにつながれて、判決を待っているところだ。彼らは自分たちが
したことの責任を取らされるだろう。とりあえずはそれでよしとするさ」
「責任？彼らが責任を取るだって？」ニシノはぽかんとした顔になり、すぐに皮肉な
形に顔を歪めて首を振った。「とんでもない、あの連中が責任なんか取るものか。
少なくとも連中は誰ひとり、今度の戦争の責任が自分にあるとは思っちゃいないよ」
「原因と結果は、お互い執念深い恋人のようなものだ。結局は逃れられないさ」
私が言った。「現在、A級戦犯としてスガモプリズンにつながれているあの老人たちは、
今度の戦争中、日本の政治的指導者の立場にあった。とすれば、彼らには自分たちの
行動に対して責任を取る義務があるはずだ」
（中略）
「ぼくは通訳として彼らと接する機会が多いのですが」とニシノは、手の中のグラスに
じっと目を注いで口を開いた。「奇妙なことに、戦争中、日本の大臣や軍の指導者だった
者たちはみんな、まるで口を揃えたように、“自分は命令を受けて仕方なくやっただけだ”
と言い張っているのです。彼らは全員が——少なくとも個人的には——中国における
日本の冒険に反対し、イタリア・ドイツとの三国軍事同盟に反対し、アメリカとの
戦争突入に反対し、戦争が始まってからもありとあらゆる日本の政策に反対してきた。
それにもかかわらず、彼らの努力はいずれも見事に粉砕されて、かつ彼らの本来の
思想及び希望の実現を阻まれてしまった。今日の不幸な事態に至ったのは、まさに
その結果だと・・・・・・まあ、そんな具合に主張しているのです」
「そんな馬鹿な言いわけがあるものか！」ボビイが呆れたように口を挟んだ。
「だって連中は、今度の戦争中、なにも強制されて重要な役職についていたわけじゃ
ないだろう？もし本当に戦争に反対していたのなら、同時にそれらの政策を施行する
重要な指導者だったというのは、これは明らかな矛盾じゃないか。もし本当に
反対していたのなら、自分から職を辞めればよかったんだ」
「“われわれ日本人にとっては、自分の意見は意見、議論は議論として、物事が
いったん決定された以上はその方針にしたがって努力するというのが習慣であり、
また尊重されるべき生き方なのだ”」ニシノは空になったグラスをぼんやりと
見つめて言った。「彼らは口を揃えてそう言っているのさ」
（本文より）
今日はいちだんと陽射しがまぶしく感じられました。
あの日もこんなまぶしい陽射しだったのでしょうか。
明日からもずっと平たく和やかな日々を送りたいものであります。
こちらは現在絶版となっております。
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