装飾の神話学

今日のおすすめ本。

2014年5月19日はこちらです。


ケルト美術への招待』

鶴岡真弓著 ちくま新書


 拡大鏡の目となって見ること。この精巧な拡大効果の着想は、

「小ささ」のなかに「大きさ」が開く、「ケルト美術の見方」の

大原則そのものの展示なのだった。

 ケルト美術は、極小のスケールに極大のスケールを現出させる、

「傾倒の視覚」を創造する。ある光景を想像してみるとよい。

自分の頭上からも足元からも自分と相似した形が無限の連続体を

つくり、遥か彼方まで続いている。気の遠くなるような自己相似形の

連なり=フラクタル構造は、遠近法の固定的パースペクティブ

無効にして、無限の合わせ鏡のなかに迷い込ませる。

 まさにこの光景こそ、ケルトのミクロな文様空間に内側に

隠された構造である。小さな壷の中に大宇宙があったという中国の

「壺中の宇宙」の喩えのごとく、極小世界の中にこそ極大世界が

生まれていくという視覚だ。

(本文より)


こちらは初版本で現在絶版となっております。

信販売もさせていただきますので、

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日々の“おすすめ本”から、

貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。



The Birthday NEW ALBUM

『COME TOGETHER』

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